プロジェクト概要

  • 経費名称:宮崎大学 平成28年度戦略略重点経費
  • プロジェクト名:「おいしさ」を科学した宮崎県農産物の販路拡大及び観光客集客に関する研究
  • プロジェクト実施:宮崎大学地域資源創成学部(実施代表:撫年浩)
  • 事業期間:2カ年

1 プロジェクトの必要性と目的

・宮崎県は日本有数の農畜産業県であり、特産物の牛肉、マンゴーなどは日本一の地位である。また、茶についても生産量が多く、釜煎り茶は地域特有の生産法として知られている。

・しかし、これらの“おいしさ”に関する科学成分や機能性に関する特徴は明確に差別化されてなく、このことからアピールポイントや販売戦略は十分とは言えない状況である。

・また、かつては新婚旅行のメッカであった宮崎県の知名度は低く、国内外からの観光客・消費者・流通業者に対し、宮崎県が誇る「食」に関する情報発信も十分にされていない。

・これらのことから、まず、宮崎県の農産物の“おいしさ”等に関する科学的に裏付けされた特徴を見出すことが必要である。

・一方、宮崎県には世界最先端の農産物や食品成分を高い精度で分析できる技術がある。

・これらのことから、宮崎県特産の農産物の官能評価による“おいしさ”等の評価値と精度の高い分析値や物理特性評価値との関係を網羅的に解析し、“おいしさ”等に関連する成分やその指標を見つけ出す。

・次に明らかとなった成分値や指標をどのように国内・国外のインターネット等の宣伝広告を含めた販売戦略に結びつけられるかを経営学等の観点から把握しておく必要がある。

・このため、国内外からの観光客に対するアンケートや試食、また、それら相手国の「食」に対する調査を行い、宮崎県の農産物に対する反応や消費行動等の評価を把握する。

・さらに、地域情報とともに宮崎県農産物の“おいしさ”に関する科学的特徴と観光客等の評価を関係づけたウェブサイトやパンフレットを多言語で作成し、国内外に広く発信する。

・これらにより、宮崎県の農産物の販売促進と観光客の増加を図る。

 

2 研究組織

・宮崎大学地域資源創成学部フードビジネス・ツーリズム研究ユニットが中心となり、その他の関連教員も参画する。農産物を専門とする教員、販売戦略・マーケティングを専門とする教員、観光・国際・ICTを専門とする教員、それぞれの場面における専門教員が参画する。

・精度の高い分析は宮崎県の“食の安全分析センター”が行う。

 

3 期待される成果及び波及効果

・宮崎県産農産物のおいしさ・食味性に関する成分を検出する。

・宮崎県産農産物の食味性に関する科学的知見に基づく差別化を図る。

・科学的知見に基づく販売戦略の構築を行う。

・宮崎県農産物の食味性に関する日本人と外国人の思考の違いを明確化する。

・宮崎県観光客の増加を図る。

・宮崎県産農産物の輸出拡大を図る。