結果と考察

1 マンゴーの評価

①クルーズ船の乗員と乗客(計58名)に対する宮崎県産マンゴー(「太陽のタマゴ」と「完熟マンゴー」の食味性の強弱に関する官能評価の結果には差は見られなかった。どちらのマンゴーも甘味、酸味、柔らかさ、総合評価において8点中6.1点から6.8点の間で好ましいと評価していた。また、国別でも差は見られなかったコメントでは「太陽のタマゴ」が良いとする人と「完熟マンゴー」が良いとする人がいたが、「太陽のタマゴ」が好ましいとする評価が多かった。

 

(主なコメント)  No.1:太陽のタマゴ、No2.:完熟マンゴー

・No1 is better

・No1 果肉質感細 軟甜No2果肉軟不容易消化 繊維有

・No1さっぱりして、No2もっと甘くておいしかった

・No2 is softer and sweeter.

・The first one is much better than the second one, but the2nd is more acidic, I really prefer the 1.

・both mongo is very good.

 

②宮崎大学の学生と留学生(計46名)に対するマンゴーの食味性の強弱に関する官能評価の結果には差は見られなかった。しかし、日本人のみでは酸味について、「完熟マンゴー」が好ましいと評価していた。どちらのマンゴーも甘味、酸味、柔らかさ、総合評価において8点中6.1点から6.8点の間で好ましいと評価していた。コメントの中にはマンゴーには少し酸味のある方が良いとする意見があり、宮崎県産マンゴーを海外に輸出する際に検討する必要があるかもしれない。

 

(主なコメント)  No.1:太陽のタマゴ、No2.:完熟マンゴー

・Both mango are soft and good taste. I choose the 2nd mango, because of flavor, sweetness and smell good.

・おいしいです。もっと酸っぱいのが好きです。

・No2がフルーツらしかった。味的には1の方が気に入りました。

・2番の香りは1番より若干強いと感じた。2つとも酸味がないようだが、マンゴーは少し酸味がある方がいいと思った

 

③マンゴーの分析値

糖度、食物繊維、果皮と果肉の色調(L*a*b*)、柔らかさのすべてについて、「太陽のタマゴ」と「完熟マンゴー」で差は見られなかった。このことから、官能評価についても差が見られなかったのかもしれない。

これらのことから、宮崎県産マンゴーは「太陽のタマゴ」も「完熟マンゴー」も非常に甘く、柔らかいことから評価が高い。宮崎に来られた際は是非宮崎県産マンゴーを食べてみてください。

 

2 茶の評価

 

①教職員と学生(26名)による宮崎県産釜煎り茶、煎茶、市販のティーパックの味の強弱に関する官能評価では、香りについて釜煎り茶が煎茶より強いと評価した。甘味については煎茶がティーパックより強いと評価した。好みを表す総合評価では釜煎り茶がティーパックより好ましいと評価した。味覚に敏感な評価者(8名)についてもほぼ同様の評価を行った。

 

②教職員(18名)による、価格の異なる宮崎県産釜煎り茶2種と宮崎県産煎茶の3種類の味の強弱に関する官能評価では、すべての項目で差が見られなかった。好みを表す総合評価の平均値は価格の高い釜煎り茶が高い評価であった。

 

③クルーズ船の乗員と乗客(計54名)に対する宮崎県産茶(釜煎り茶と煎茶)の好ましさに関する官能評価の結果には差は見られなかった。どちらの茶も香り、渋み、後味、総合評価について8点中6.0から6.4点と好ましい評価であった。国別でも差は見られなかったが、評価値だけを見るとすべての項目で日本人が釜煎り茶を高く評価していた。コメントでは釜煎り茶と煎茶とも好ましい内容であったが、やや釜煎り茶を高く評価しているコメントが多かった。

 

(主なコメント) No1:釜煎り茶、N0.2:煎茶

・No.1 is more flavor then 2

・I prefer No.2 more than No.1.

・Very nice a healthy tea

・No1が日本のごぼ茶と似ている、No2が台湾の緑茶に似ている

・The first one is little stronger than the second one. But the second one is more

 

④宮崎大学の学生と留学生(計46名)に対する茶の官能評価の結果には差は見られなかった。しかし、国別では特に台湾人において、4名名ともすべての項目で釜煎り茶が好ましいと評価していた。日本人(16名)では渋みでは差が見られなかったが、香り、後味、総合評価で釜煎り茶が好ましいと評価していた。コメントにでも釜煎り茶を高く評価する内容が多かった。これらのことから、宮崎県産釜煎り茶は外国人にも高く評価されることが明らかとなった。

 

(主なコメント) No1:釜煎り茶、N0.2:煎茶

・I like both of them. 

・No.1が良し、No.2は渋み苦みあり

・No.1の香りが良いと思う

・1の方が2より明らかに香りが強いです。2の方が渋みが弱いし、子供とかに向いていると思う。私は1の方が好き

・No.1の方が全体的に甘くすっきりした印象

 

⑤茶の分析値

1回目の官能評価に用いた釜煎り茶がLテアニン、Lグルタミン酸、Lアスパラギン酸、カフェインで最も高い値を示した。2回目の低価格釜煎り茶では、Lテアニンが1回目の釜煎り茶と同じ値、Lアルギニン、カテキン、エピガロカテキンガレートで最も高い値を示した。これらのことから、茶の味に関する分析値では煎茶、ティーパックより釜煎り茶が高い値を示した。また、釜煎り茶には味に関係なく味の成分が含まれている結果となった。今回は香りに関する成分を分析できなかったが、4回の茶の官能評価では釜煎り茶の香りの評価値が高いことが特徴であった。今後釜煎り茶の香りについて検討を進め、宮崎県産の釜煎り茶や煎茶の良さを広く世界に広めていきたい。

また、宮崎に来られた際は是非宮崎の薫り高い茶を飲んでいただきたい。